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天然鮎|高知県四万十市|Vol.24

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天然鮎|高知県四万十市|Vol.24

西土佐の天然 鮎

四万十川西部漁業協同組合 鮎市場

※記事内容は2023年9月発刊時のものです。

現在、市場に流通する99%以上が養殖鮎だといわれている。
そんな中、ここ四万十市西土佐の鮎は100%天然ものにこだわり続けている。
一年魚の鮎はその年の四万十の山、川、海を知り尽くした存在。
鮎を獲る人、売る人、広める人の視点から循環する地域についてまなざす。

鮎漁は少年の頃の遊びの延長線上にある

四万十川の支流・目黒川で器用に鮎を釣り上げていくのは漁師歴47年の久保政広さん。生まれも育ちも西土佐で、幼少期は父に連れられてよく川釣りをしていたという。

漁法はもっぱら「友釣り」だ。「おとり」と呼ばれる生きた鮎に針を付けて川底を泳がせる。すると縄張りに侵入されたと警戒した鮎がおとりの鮎を追い出そうとする。そこでおとりの鮎に付けられていた針が引っかかるという仕組み。

鮎竿(延べ竿)はなんと8.5m。わずかな糸の引きも見逃さず鮎との攻防を繰り広げる姿に思わず息を飲む。

「天然ものと養殖の違い?わからんわからん!天然しか食べたことない!」と快活に笑う久保さんの表情はまるで少年のようだった。

1年魚の天然鮎にはその年の川や自然が詰まっている

道の駅よって西土佐の林大介駅長は、「鮎は川の苔を食べて育ちます。川には山のミネラルが流れ込む、つまり地域の生きる力が注ぎ込まれた存在ながです。川が元気じゃないと鮎の味も落ちる。鮎を食べることはその地域の『川を食べる』ことだと思いますね」と語る。

「春先に上がって、稚魚になって、秋になったら下って産卵して死んでしまう。1年魚というのも魅力的。山、川の上流から下流そして海まで全部が繋がっていて鮎はその全てを生涯かけて知っていく。とてもロマンがある」。

天然ものにこだわる背景には、四万十川と鮎が暮らしにとってごく当たり前の風景だからこそ、その当たり前を守りたいという信念が覗く。

鮎も人も循環している、ここ四万十で

鮎市場(四万十川西部漁業協同組合)の平野三智さんは、地元漁師から鮎などの買い取り、加工品や鮎の塩焼きの製造・販売を手掛けている。

「私たちは鮎漁師と鮎を求めるお客さんを繋ぐパイプ役だと考えています。漁師も魚もいなくなったら成立しない。四万十川流域には川魚文化があって、近所の人が山のもの、田のもの、川のものをお裾分けしあって生活の中で循環させる環境が残っています。だからこそ成り立っている絶妙なバランスだと我ながら思います」。

鮎を獲る人、売る人、広める人…それぞれの立場の人ができることを精一杯する。

そしてそれは人を惹きつけて大きな流れへとなってゆく。

四万十川と共に生きるひとびとの姿をそこに見た。

えひめ食べる通信 2023年9月号

西土佐鮎市場

〒787-1601 高知県四万十市西土佐江川崎2410-3

西土佐鮎市場 天然鮎