Ehime Kochi Taberu Tsushin logo
Skip to content

いちご(あまおとめ)|愛媛県今治市|Vol.27

TOP

いちご(あまおとめ)|愛媛県今治市|Vol.27

大三島の あまおとめ

井上苺園

※記事内容は2024年3月発刊時のものです。

瀬戸内の自然が育む あまおとめ

愛媛県今治市の大三島は、しまなみ海道で結ばれた瀬戸内海に浮かぶ島のひとつ。井上苺園は穏やかな海のそばにある農園だ。

出迎えてくれたのは井上洋平さんと衣美さんご夫妻。

ハウスで栽培されているいちごは現在6種類。その中でもあまおとめは愛媛県で開発された品種で、ヘタの周りまで赤くならず、「ハチマキ」と呼ばれる白い部分があることが特徴。しかし、大三島で栽培されたあまおとめはヘタの周りまで真っ赤に色づく。「はっきりとした理由はわかりませんが、瀬戸内特有の日照時間の長さや海からの照り返しといった自然条件が合うのかもしれません」。

自分たちが大三島に戻ってできることはなんだろう

井上さんたちは約5年前にUターンしてきた。継ぐことを決めたきっかけは、両親から苺園をたたもうとしていることを打ち明けられた時のこと。「父の作るいちごはとても評判が良くて、絶やしたくなかったんです。もちろん簡単なことではないけど、父から技術を盗むのは今しかできないことだと思いました」。現在は一緒にいちご栽培を行っている。

「前職は同じ品質のものを安定的に作っていくスキルが求められていましたが、いちごは同じ形、熟れ方をするものはひとつとしてありません。農業は、命あるものを育てている感覚が難しくも面白いと感じます」。

二人が考えていたのはいちごを栽培することだけではない。「ただハウスを増設して収穫量を増やすだけではなく、なにか付加価値をつけて僕たちが大三島に戻って来た意義や理由を模索しました」。そこで始めたのが加工品開発とキッチンカーでのスイーツ販売。ジャムやスムージー、ジェラートなどいちごの味わい方の提案を行っている。

交流の結び目になるような場所にしたい

ハウスの中で作業していたのは井上さんと地域の方々。「僕たちよりベテランさんです」と洋平さんが笑う。中には移住者の方もいるのだそう。「作業しながら島の人たちと打ち解けていく場面
を何度も見ました。移住してきて地域の中に溶け込むことってかなりハードルが高いことだと思うのですが、いちご栽培を通じて自然とそれができていると感じました」。

ハウスの側にはヤギのイチゴちゃんとキキちゃんがいちご狩りに来た人たちを癒している。

「いつかここを公園みたいにしたいんです。いちご狩りとキッチンカーでうちのいちごを味わってもらって、ヤギたちと触れあう。あとは時々マルシェが出来たらもっと交流の場所になるなと思ったり。夢は膨らみます」と衣美さん。

食の生産現場、そして地域の交流拠点として井上苺園の可能性が広がりをみせている。

えひめ食べる通信 2024年3月号

井上苺園

〒794-1403 愛媛県今治市上浦町甘崎 370ー1

井上苺園 いちご(あまおとめ)