研究農家が育む、こだわりの一本
首藤農園
※記事内容は2026年2月取材時のものです。

幼い頃から自然と共に——農家への道のり
愛媛県西条市。豊かな水と自然に恵まれた土地で、「ばくだんアスパラ」をはじめとした個性豊かな野菜づくりを行う首藤農園。今回お話を伺ったのは、研究熱心な農家・首藤聖樹さんです。
首藤さんは農家の家庭に生まれ、幼少期から畑が身近な存在でした。小さな頃から「作物が育つ過程の面白さ」に惹かれ、中学2年生の頃には「農家を仕事にしたい」と決意。成長とともにその思いを育て、6年前に家族から自立し農家として独り立ちしました。

“ばくだんアスパラ”が生まれるまで
首藤農園の代名詞ともいえるのが、極太で存在感抜群の 「ばくだんアスパラ」。
実は…成長過程で生まれる“変異体”として捨てられていました。しかし、首藤さんはその個体に可能性を見出し、太さを活かして育て上げたところ、やがて「ばくだんアスパラ」という希少なアスパラが生まれました。
大きなアスパラのために
アスパラの子は必ず親と同じかそれ以上の大きさになるそうです!そこで、首藤さんはゲームのように「太い子を選別して親にする」など、研究と試行錯誤を楽しみながらアスパラの改良を続けています。
ただし、太いアスパラには 成長が遅い・虫害を受けやすいなどのリスクも多く、簡単には育てられない繊細な作物です。
アスパラガスの栽培は特殊で、果樹のように「親株を選び木のように育ててから家庭を持つ(=芽を出す)」という方式を取ります。このため、収穫期にはビニールハウスがジャングルのような姿になることもあるそうです。
アスパラには 春と夏の2回の収穫期 があり、
- 春アスパラ…味・香りが濃い
- 夏アスパラ…香りは弱いが甘みが強く柔らかい
という違いがあり、春はアスパラメイン、夏はアスパラがサブの料理に使います。

自身の研究から生まれたオリジナル有機肥料で化学肥料の割合を削減
首藤さんのこだわりは栽培方法にも表れています。以前は化学肥料をメインで使っていました。
しかし化学肥料には
- 値上がり
- 選択肢の少なさ
- 速効性ゆえの扱いにくさ
といった課題がありました。
そこで首藤さんは持ち前の研究心から、コーヒーカスと米ぬかを用いた自作肥料 を開発。これが大きな成果を生み、
- 肥料切れしにくい
- 味のムラが少ない速効性ゆえの扱いにくさ
という高品質なアスパラ栽培につながっています。
農繁期は4:30〜20:00の過酷スケジュール
首藤さんの生活は季節に大きく左右されます。
6〜7月は特に忙しく、朝4:30から20時まで作業が続く日も多いそうです。

【一日のスケジュール(農繫期)】
4:30 アスパラ収穫開始
10:00 アスパラ、ピーマン出荷
10:30 ピーマン収穫開始
12:00 昼食
14:00 ピーマン選別
15:30 アスパラ、ピーマン収穫開始
18:30 アスパラ、ピーマン選別
取材・執筆:愛媛大学 社会共創学部 山口信夫ゼミ 尾賀大輝、鎌田日々輝、熊丸凌大、西川三葉/田中みのり、谷岡駿、松田ひかる

3月号の食べもの
今回お届けする商品は、“夏アスパラ”です。 ※2026年6月頃お届けいたします※
\アスパラ豆知識/
アスパラに含まれるアスパラギン酸による疲労回復や、ルチンによる血行促進などの健康効果が見込まれます。
栄養は穂先に多くつまっています。栄養素を逃がさずとるために、焼く・炒める・揚げるがおすすめです!

