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ジビエ|高知県梼原町|Vol.40

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ジビエ|高知県梼原町|Vol.40

ジビエと共に地域で生きていく

ゆすはらジビエの里

※記事内容は2026年5月発刊時のものです。

里山のやっかいものを 滋味あふれる食材に変える

森林が町の9割を占める高知県梼原町。自然豊かな地域だけに、有害鳥獣による農業被害は長年地域の課題だった。ターニングポイントとなったのは2018年、町内に獣肉解体処理施設「ゆすはらジビエの里」ができたことだ。土地柄、昔から猟師が多かったこともあり、現在は年間約1,000頭の猪・鹿が捕獲されている。

罠にかかった個体は、捕獲後に独自の基準で血抜きされ、2時間以内に持ち込まれる。衛生管理された施設内では、一次処理(解体)、寝かせ、二次処理(ブロック肉)から包装・冷凍まで一連の作業が可能だ。季節によって脂ののりかたは変わるが、檮原の猪や鹿は比較的若くて小ぶりなため臭みが少ないのが特長。丁寧な処理と、寝かせの工程を経ることで水分が抜けて旨味がぎゅっと凝縮されるのだそう。

応援する側から地域のまんなかへ

「ゆすはらジビエの里」の施設長を務める平脇慶一さんは西宮市出身。もとは期限付きの「ゆすはら応援隊」として移住してきたが、施設の母体である集落活動センターの立ち上げに関わるなかで、ジビエ事業運営の中心を担うようになり11年が経つ。「来てすぐの頃、地域の方から“1年ぐらいは何もしなくていい、まずは顔と名前を覚えろ”と言われ、気が楽になりました。梼原に受け入れの土壌があり、最初の数年で地域に馴染めたこと、人と関係ができたことが大きい」と平脇さん。当初はジビエが今ほど流通しておらず、販路開拓や衛生基準の整備、価格設定などの確立に奔走。数年かけて猟師の方々との信頼関係を築き、梼原のジビエを軌道に乗せた。

ジビエは自然との共生「あるもの」で勝負していく

平脇さんが町に来た頃は約90人いた猟師も、高齢化で今は60人ほど。加えて、年によっては捕獲数が大きく変動するなど安定しない一面もある。「ジビエは自然に左右されるわけで、あるもので勝負というのが畜産と違うところなんです。計画が立てられない分、獲れたものを臨機応変にどうやって売るかが勝負」と、平脇さんは話す。現在は精肉の販売にとどまらず、地域のイベント出店や、常温で味わえるお土産品の開発にも積極的だ。「人口減や産業の衰退は避けられない現実。それでも、ジビエを通じて少しでも地域が盛り上がって、減速が緩やかになればいいなと思います」。滋味あふれるジビエのなかに、地域と自然と共に等身大の未来を描く平脇さんの姿が見えた。 

共同取材:高知大学 地域協働学部 コミュニティデザイン研修室 小川結衣、竹中楓、土屋佑樹、森田桃加

 

5月号の食べもの

今回お届けする商品は、“鹿のモモブロック”と“猪のソーセージ”です。

「ゆすはらジビエの里」のジビエは熟練の職人が丁寧に処理しています。鉄分・マグネシウム・Lカルニチンが豊富で、旨味が牛の赤身にも似た「鹿」モモ部分と、牛や豚に比べカロリーが低くビタミンBが豊富な「猪」をセットにしてお届けします。

えひめ・こうち食べる通信 2026年5月号

ゆすはらジビエの里

高知県梼原町

ゆすはらジビエの里ウェブサイト